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~フォワグラ1kgに対し~
コニャック…20ml
ポルト酒(赤)…30ml
キャトル・エピス …0.5g
塩 …13g
鶏のムネ肉 …1枚(300g)
黒ラッパ茸(乾燥)…30g
バター(黒ラッパ茸のソテー用)…10g
=鶏のムース=
鶏モモ肉(皮無し)…180g
卵白 …1個分
生クリーム …150g
ピスタチオ(みじん切り)…大さじ2
=湯がくための液体=
フォン・ド・ヴォ…1L
フォン・ド・ヴォのとり方はこちら
ブイヨン …1L
ポルト酒(赤)…50ml
タイム …3枝
牛赤身肉(脂のないもも肉など)
(包丁で細かく刻む)…200g
エシャロット(薄切り)…1個
卵白 …2個分
トマトピュレ …40g
ポルト酒(赤)…50ml
ローリエ …1枚
タイム …1枝
液体(前述の「湯がくための液体」を使用)…1L
板ゼラチン(水につけて戻す) …10g
ミニョネット …少量
Kiyoのイラスト解説
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STEP 3
フォワグラホールの下処理 (2)
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テーブルナイフと指先を使い、できるだけ崩さないよう枝分かれした血管が見えてくるまで丁寧に開き、取り除く(デネルヴェ)。
フォワグラを傷つけないように注意しながら血の塊などもあれば指先や金串を使って取り除く。
フォワグラを傷つけないように注意しながら血の塊などもあれば指先や金串を使って取り除く。
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STEP 5
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マリネしたフォワグラを150g程度切り出し、直径3cm、長さ15cmの円柱になるよう硫酸紙で巻いて形を整える。2本作ったらある程度固まるまで再度冷蔵庫で冷やす。
(残ったフォワグラはマリネ済みなのでそのままテリーヌ型に入れ低温で湯煎焼きすればテリーヌを作ることができる。)
STEP 7
鶏のムースを作る(1)
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2cm角に切った鶏のムネ肉に軽く塩、こしょうし、フードプロセッサーにかける。すり身になったら一旦止め、卵白を加え更に混ぜる。
STEP 8
鶏のムースを作る(2)
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裏ごしをし、氷水をはったボウルに移し、ゴムベラで混ぜながら生クリームを少しずつ加える。
STEP 9
鶏のムースを作る(3)
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刻んだピスタチオを加え、塩、こしょうで味を整えたら絞り袋に入れ、冷蔵庫で冷やしておく。
STEP 10
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鶏ムネ肉を縦に2等分し、中央から包丁で開いたらビニールで挟み、約17cm×15cmのシートになるよう、肉たたきで薄くたたきのばず。肉をたたく時、ビニールの上に水を数滴たらすとのばしやすい。鶏肉自体に水をつけると水っぽくなるので必ずビニールの上から水をたらす。
STEP 12
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STEP 13
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STEP12のバロティーヌが2本はいる大きさの鍋にフォン・ド・ヴォ、ブイヨンを入れ沸騰させ、ポルト酒、タイム、ローリエ、塩、こしょうを加える。STEP12のバロティーヌを入れ、80℃を保った状態で25分ゆがく。芯温が50℃になっているのを確認したら火を止め、ゆで汁につけたまま冷ます。(冷蔵庫に3日間ほどいれておくと味が更になじむ。)
STEP 15
ポルト酒風味のジュレを作る(2)
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STEP13のバロティーヌを湯がいた液体を1L、別の鍋に入れ、人肌程度に温めたらSTPE14の澄ませるための材料を加え、木杓子で底の方から全体をしっかり混ぜながら強火にかける。
STEP 16
ポルト酒風味のジュレを作る(3)
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温度が上がるにつれ、赤身肉が白っぽくなり、卵白が固まり始めたら水で戻した板ゼラチンを加え溶かし、混ぜるのをやめる。火加減を徐々に弱くし、固まった卵白が安定(※)するような軽い沸騰状態を保ちながら30分ほど煮込む。
※火加減が弱すぎると固まった卵白が沈んでしまうし、強すぎると崩れてしまい、いずれも濁りの原因になるので注意する。固まった卵白の中央に穴を開けておくと全体が安定しやすい。
STEP 18
ポルト酒風味のジュレを作る(5)
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浮いている脂は表面に紙をすべらせて吸い取り、仕上げに塩で味を調え、粗熱が取れたら冷蔵庫に移し、ゼリー状に固める。
STEP 19
香草入りクロワッサンワッフルを作る
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半解凍した冷凍クロワッサンをワッフルメーカーにセットして、ハーブ塩をふり、6~7分焼き、クロワッサンワッフルを作る。
STEP 20
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STEP13のバロティーヌのさらしを解き、約2cm厚に切る。
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1. フォワグラの血管は室温に戻した状態で丁寧に取り除きますが、手の温度がフォワグラに伝わり過ぎると溶けてしまうので素早く作業をしましょう。
2. 鶏のムースはフードプロセッサーでまず鶏肉と塩で粘りが出るよう良く混ぜてから卵白を加えます。卵白を入れて混ぜ過ぎると固まる力が弱まってしまうので注意が必要です。また生クリームを加える時は氷水をはり、良く冷やしながら混ぜましょう。
3. 今回ジュレを作るときにひいたコンソメですが、細かく切った牛肉と卵白をまずしっかりと練る事が大切です。一緒に加熱する液体は、始めから温度が高いと卵白だけに先に火が通り、アクを吸い取ってくれないので澄んだコンソメになりません。澄ませるための材料は液体が人肌程度の温度の状態で加えましょう。
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ハンガリー産 フォワグラホール
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良質なフォワグラ(フォアグラ)のホールは表面に弾力とつやがあり、血のにじみや黒ずみがないとされています。
冷凍技術やパッケージの材質の向上により、冷凍でも質の良いフォワグラを入手しやすくなりました。
便利なポーションカットが多く流通する中、フォワグラの魅力をあますことなく使えるホールは、品質にこだわる料理人の間で今でも根強い人気があります。
トップ・トレーディングではハンガリー産のフォワグラを鴨(カナール)、鵞鳥(オア)共に取り扱っています。
●商品の詳細ページはこちら
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クロワッサン・ワッフルの話
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フォワグラにはよくブリオーシュ・トーストが添えられますが、今回は冷凍クロワッサンで作った香草入りワッフルを添えました。クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼くという、韓国発祥のスイーツなのだとか。「クロワッサン」と「ワッフル」を合わせて「クロッフル」とも呼ばれているそうです。
料理写真家の大御所、佐伯義勝氏
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幾度か佐伯先生に料理を撮っていただく機会に恵まれたのですが、40年程前にサントリーの広報誌「リカーショップ」でこの「フォワグラのバロティーヌ」も撮っていただきました。
いつも4~5人のスタッフを連れてこられて最高に緊迫した現場です。「料理が生きている間に一番美味しい時に撮る。」といつもおっしゃていて、… 続きを読む
いつも4~5人のスタッフを連れてこられて最高に緊迫した現場です。「料理が生きている間に一番美味しい時に撮る。」といつもおっしゃていて、… 続きを読む
上等のコンソメはレストランのステータス
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日本料理では「椀物」。吸い物とも言いますが料理人の腕の見せ所です。
それと関連してなのか日本の西洋料理の店でもコンソメのレベルがその店の格を表す時代がありました。ヌーヴェル・キュジーヌが入ってくる1970年代位まででしょうか?
牛のすね肉、鶏ガラ、ひね鶏、香味野菜、水、で一日かけてブイヨンを作り… 続きを読む
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ムースの歴史はルイ14世時代?
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17世紀以来、女性が人前で大口を開けたり、物をかむのが下品とされた風潮があり、やわらかくとろけるような料理への嗜好が強まりました。そこでムースやピューレがもてはやされ、17~18世紀の料理書に料理やデザートが登場します。
ロンドンの「ル・ガヴロッシュ」閉店
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当時の「ル・ガヴロッシュ」のメニュー
今回のこの料理は2024年1月に閉店したロンドンのかつては三ツ星レストラン「ル・ガヴロッシュ Le Gavroche」のスペシャリテ、「フォワグラのバロティーヌ、ジュランソン風 Ballotine de foie gras au Jurançon 」をアレンジしたものです。ジュランソンとはフランス南西部、ピレネ―山脈の麓で作られるワイン。フォアグラに合うソーテルヌに劣らない白の甘口ワインを産する地です。