本文へ移動
王家の野うさぎ
カテゴリ:料理・レシピ,ラパン(ウサギ)
 飼育された家ウサギはラパン lapin ですが、野ウサギはリエーヴル lièvre といいます。ラパンの肉質はピンク色で淡白ですが、リエーヴルは赤黒い肉質で味と香りは濃く強いです。

 リエーヴル・ア・ラ・ロワイヤル Lièvre à la royale というジビエ料理があります。野うさぎの ロワイヤル royale(王室の)というルイ14世にまつわる料理です。

 この野ウサギ料理は毛付きの野ウサギから始まります。皮を剥いで内臓を取り置きます。骨を丁寧にはずし、一枚開きにします。取り置いた内臓、塩漬けの豚バラ肉、きのこ、子牛の肉等でファルスを作ります。それを一枚開きのウサギの上に敷き、フォアグラ、トリュフと共に筒状に包みます。

 赤ワインをたっぷり使ったマリナードで野ウサギを数時間かけてゆっくりポシェします。そのまま冷やし締めます。輪切りにした野ウサギの筒切りに煮詰めたマリナード、フォアグラ、ポルト酒、野ウサギの血をリエしたトロリとした濃厚なソースを添えます。

 まさにフランス・ジビエ料理の頂点にふさわしい料理ですね。

 昔、辻調にリヨンから来たクロさん(Eric Cros)というフランス人のシェフがいて、この料理を作ってくれたのを覚えています。それを見ながらフランス人は昔からこんなの作ってるんだな…と感心。辻調で5年ほど一緒に仕事をして、たぶん今はリヨン近郊エキュリー Ecully のボキューズさんの料理学校(Institut Paul Bocuse)で先生をしていると思います。

関連レシピ
TOPへ戻る