ゆで卵の黄身で作る「ソース・グリビッシュ」の謎
カテゴリ:料理・レシピ,卵

最近あまり見かけない「ソース・グリビッシュ sauce gribiche」。名前の由来を調べましたが、なかなかこれといったのが見つかりません。「食の事典」(白水社)では、考案した人の名であるとか、ノルマンディ地方の方言で「がみがみ言う女」を意味する語、とかいう説もあるそうですが真意は不明、とあります。謎ですね。
ソース・グリビッシュはマヨネーズのように生の卵黄で作るのではなく、ゆでた卵の黄身で作ります。卵黄を加熱しても乳化の役目をするレシチンはあるようですが力は弱まります。水分や硬さを見ながら少し慎重に作りましょう。卵黄の味の濃い面白いソースになりますよ。
今回はいろんな料理本のソース・グリビッシュのルセットを見てみましょう。
今回はいろんな料理本のソース・グリビッシュのルセットを見てみましょう。
~【ソース・グリビシュ】 いろいろ~
1. フランスの代表的なレシピ
・レイモン・オリヴェ(LA CUISINE)
ゆで卵6個に対し、油1/2L、ピクルスとケイパー各100gという分量です。卵黄を練り、マヨネーズの要領で仕上げます。魚、エビ、カニの冷製用とされています。
・ラルース・ガストロノミック
「マヨネーズの生卵をゆで卵に置き換えたもの」と定義されています。子牛の頭や冷製魚料理に添えるソースです。
・レペルトワール
固ゆで卵の黄身とマスタードでマヨネーズを作り、コルニションやハーブ、刻んだ白身を混ぜる、と簡潔にまとめられています。
2. 日本の料理人による緻密な解説
・山本直文 『標準フランス料理』(1956)
卵黄を「滑らかな練粉(pâte)」にすることを強調しています。卵白の切り方は「ジュリエーヌ(細かく刻んだもの)」と指定されているのが特徴的です。
・小野正吉 『小野正吉フランス料理 2 魚介料理』
「卵黄1個分に対し植物油約80cc」という具体的な比率が記されています。泡だて器でかき混ぜながら、少しずつ油を加える技法が詳細です。
・荒田勇作 『荒田西洋料理』
「マヨネーズ・グリビッシュ」という名称で紹介されています。ゆで卵黄を裏ごしして、ねりがらし等と合わせ、酢とオイルでマヨネーズのようにかきたてます。
3. 江上トミ先生の家庭向けの知恵
・江上トミ 『私の料理(料理を生かすソース)』
蒸し煮にした鮭や鱒、茹でた野菜用として紹介されています。
「非常に分離しやすい」という点に触れ、少しあやしくなったらソース・マヨネーズを一匙入れるという具体的な分離防止策が記されているのがとても実用的ですね。
また、手に入りにくい材料への代用案もユニークです。
「コルニションピクルスの代用として日本ではラッキョウ漬を使います。」
「(材料がない場合)淋しい味になるのは致し方ありません。」
出典・参考文献リスト:
Raymond Oliver 『LA CUISINE』
『LAROUSSE Gastronomique』
『LE RÉPERTOIRE DE LA CUISINE』
山本直文 『標準フランス料理』(1956)
小野正吉 『小野正吉フランス料理 2 魚介料理』
荒田勇作 『荒田西洋料理』
江上トミ 『私の料理(料理を生かすソース)』
Raymond Oliver 『LA CUISINE』
『LAROUSSE Gastronomique』
『LE RÉPERTOIRE DE LA CUISINE』
山本直文 『標準フランス料理』(1956)
小野正吉 『小野正吉フランス料理 2 魚介料理』
荒田勇作 『荒田西洋料理』
江上トミ 『私の料理(料理を生かすソース)』



